高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査とは
進路決定のトレンドを明らかにするため、進路が決定した高校生を対象に、
進路選択の経緯や進学先決定までのプロセスなどをテーマにした調査です。
高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査
2024年3月実施 調査報告書
2024.05.08
高校生の意識や進路選択に関する状況などの把握をするために実施
志望校選びの際「重視するポイント」
志望校選びの際「重視するポイント」について聞くと、大学・専門学校では「学べる内容」(大学51.6%、専門学校63.5%)が、短期大学では「取れる資格」(48.5%)が、それぞれ前年同様トップの項目となった。大学において、今回は2位に「取れる資格」がランクインした。昨年比で+8.8ptと最も高い上げ幅。これまでは「学部名・学科名」の次に「取れる資格」が来ていたが、この4年間で初めて「取れる資格」が「学部名・学科名」を上回った。
受験校選びの際や入学直前の不安、悩み
受験校を選んだ時の不安や悩みについて聞くと、大学では「将来やりたいと思う仕事が見つけられるか」(40.1%)が、短期大学・専門学校では「授業についていけるか」(短期大学32.7%、専門学校39.8%)がトップとなった。入学する直前の今の不安や悩みについても、同様に聞いた。全体の回答傾向は「受験校を選んだ時の不安や悩み」の回答傾向とそう変わらない。受験校を選んだ時と入学する直前とで不安や悩みの内容に変化があるかに注目すると、大学進学者、短大進学者、専門学校進学者のいずれも、「友達ができるか」は回答割合が8~10pt増加している。
在学中に「特に力を入れた」と思う活動
進路選択の満足度が高いグループと低いグループとで、在学中に「特に力を入れた」と思う活動について回答結果を集計した。高得点グループは低得点グループに比べて「受験対策」「探究活動」の回答が多い。受験対策に力を入れ高い壁を乗り越えたことの満足度が、そのまま満足度に表れていると言えそう。また、探究活動で社会との関りや自らのキャリアを考える中で、進路検討が大いに前進することも窺える。
▼在学中に「特に力を入れた」と思う活動(進路選択の満足度得点別の集計)
進路検討、決定の早期化に拍車
進学する学校のオープンキャンパス・体験入学へ参加した時期については、大学・短期大学では「3年生4~6月」(大学19.8%、短期大学27.7%)が、専門学校では「3年生7~9月」(29.5%)が最も高い割合となった。全体で見ても、参加時期の早期化傾向が見られる。受進学する学校へ出願を決めた時期については、大学・短期大学では「3年生4~6月」(大学29.2%、短期大学30.7%)、専門学校では「3年生7~9月」(30.7%)が最も高い割合となった。前年最も多かった「3年生7~9月」からやや早い段階で出願校を決定した様子が伺える。
今回、初めて進路選択の満足度が高い学生と低い学生でどのように回答傾向が異なるのか集計・公表しました。満足度が高い学生は「受験勉強」や「探究活動」に力を入れている回答が多くみられ、改めてその重要性がうかがえました。また志望校選びでは「就職率」よりも「学べる内容」「取れる資格」が重要視されていることからも、不確実な時代において、高校時代に何を学び、大学で「何が学べるか・身につくか」を考えている様子が浮かび上がってきたと言えます。また、例年通り進学先に対する高校3年間のアクション時期や、非進学先に対する同アクション時期についても調査しレポートにまとめています。詳細はぜひ下部PDF全文をご覧ください。(研究員 青木 湧作)