高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査とは
進路決定のトレンドを明らかにするため、進路が決定した高校生を対象に、
進路選択の経緯や進学先決定までのプロセスなどをテーマにした調査です。
高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査
2023年3月実施 調査報告書
2023.05.30
高校生の意識や進路選択に関する状況などの把握をするために実施
志望校選びの際「重視するポイント」
志望校選びの際「重視するポイント」は、前年同様「学べる内容」が上位にランクインしました。進学先区分別にみると、大学・専門学校への進学者は「学べる内容」が、短期大学への進学者は「取れる資格」が前年同様トップ項目となりました。
進学する学校への検討アクション時期
進学する学校区分に問わず資料請求時期は「3年生4~6月」、来校・出願決定時期は「3年生7~9月」が最多割合となりました。前年と比較して今年は資料請求時期について「2年生4月~12月」の時期に微増傾向が見られました。
また、オープンキャンパス・体験入学の参加/不参加について、今年は感染症緩和の影響か前年と比較して参加割合が増えてきています。
「3年生7~9月」のイベント参加が進学先検討の決め手か
進学先およびそれ以外の候補学校について、その「認知時期・検討時期」を調査しました。前年同様「3年生7~9月」は、進学先学校のイベント参加割合とそれ以外の候補学校のイベント参加割合が、最も大きく差が出た時期となりました。
進学先選びは「早期化」かつ「幅狭」の傾向へ。
マイナビ進学総合研究所では、毎年高校を卒業した会員を対象に【高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査】として「進学学校の認知時期」や「進学先の決定要因」など、進路探索の行動結果を中心に調査を行っております。本調査で見えてきた、2023年卒生の傾向についてレポートさせていただきます。
先ず、本学年の進路選択行動で昨年と大きく傾向が変動したのが「進学先学校のオープンキャンパス・体験入学」の参加率です。昨年度の同調査では、<参加していない>が44.7%でしたが、今年度は29.7%と15ポイントほど減少しました。19年調査は29.3%でしたので、新型感染症流行前の水準まで戻ったと言えそうです。
具体的な進路選択行動にも、昨年からの若干の変容が見えてきました。
「進学先の学校を知った時期」ですが、<1年生の1~3月><2年生の4~6月><2年生の7~9月>等の回答が昨年より増加しており、<2年生9月まで>の回答を累計すると、昨年54.1%に対し今年度は58.6%となりました。その他「資料請求」「出願決定」等でも同様に早い時期の回答が増えており、全体的な進路探索行動のスケジュールが早まっている傾向となっております。
一方で、「進学の候補にした学校」は、大学で4.7→4.1校/短期大学で3.0→2.7校/専門学校3.0→3.4校となっており、大学・短期大学については比較的狭い候補の中から進学先を決定するようになっていると言えそうです。
オープンキャンパスの来場が回復。早期かつ狭い選択肢の中から進学先を探索しているという高校生の特性を考慮した募集広報戦略が必要となってくると考えております。
先ずは早期から志望校の選択肢に入るように、低学年次からのアプローチを強化していくこと。そして、オープンキャンパスへの来場した高校にしっかりと貴校の魅力を訴求し、進学へと導くことが、より一層重要になってくるのではないでしょうか。
(主席研究員 宮内 章宏)